椅子みたいにボールに座って
2009-07-28 20:11:44 (14 years ago)
Vol.12 2009.7.28
今回「もうひとつの陸のピース」の企画を思いつき、ボールのコレクターの皆様にお手紙をだした時、真っ先に連絡下さったのがEさんでした。
手紙を投函した翌々日の午前6時きっかりに電話のベルが鳴りました。
「手紙をもらったけど、ホームページだのメールだの私はわかんないんだけど、どうしたらいいんかね?」
お伺いして写真を撮り、お話を聞かせて頂くということになりました。
すっかり遅くなってしまいましたが、やっとお伺いすることが出来ました。
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ボールは丑久保さんが文化庁の研修員となってニューヨークに行く前、引越しを手伝いに行った時に譲ってもらったんだよ。。
最初に丑久保さんが大谷に来たときは、誰だか知らなかったけれど、崖下の小屋に人が住むから電気を引いて欲しいと言われて、工事をしたんだ。その後空いていた石工さんの社宅に移って、引越しの手伝いはそこに行った。いろんな作品が置いてあったよ。その中で大きなボールが気に入って譲ってもらった。
家に置くと、まだ小さかった子供が、椅子みたいにボールに座ってゆらゆら遊んでたね。
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Eさんのお父さんは林業を営んでいて、炭焼きもしていました。
ボールの作品には「炭化したボール」というのもあって、これは欅のボールをEさんのお父さんに炭焼き釜に入れてもらって焼いてもらったものです。
ボールの写真は炭焼き釜のところで撮らせていただこうと思っていました。
久しぶりにお伺いしたら、お父さんは5年前に亡くなられ、炭焼き釜もきれいに片付けられて跡形もなくなっていました。
フローリングの床に置いてあるボールは、大きいだけに重くて動かすのが大変です。でもボールだけの写真では大きさを伝えることが出来ないでしょう。どうしましょうかと言っているうちに自然にお二人の手がボールに伸びました。長年電気工事をしてきたEさんと奥さんの手です。
U市 T.E.